飲食店を居抜きで使用する時に注意すべきこと

飲食店を開業する際に、居抜き物件を使用すると、初期費用を大幅にカットすることができます。
そのため、居抜き物件はとても魅力的だと思っている方も多いですが、必ずしも良い点だけではありません。

今回は、居抜き物件を使用する場合の注意点について見ていきましょう。

前のお店のイメージがついてまわる

居抜き物件を使用して出店する場合には、その前のお店のイメージや評判といったものを引きずってしまう可能性があります。

気になる居抜き物件を見つけたら、前に入っていたテナントがどのような評判だったのか、どのような理由で閉店してしまったのか、ということはある程度把握しておく必要があります。
お店の内装やレイアウトを、前のテナントとは全く違うものに変えるのであれば問題ありません。

しかし、内装やレイアウトを変えることなくそのままオープンをしてしまうと、話題性もありませんし、前のテナントのイメージを払拭することもできません。

できるだけお店の内装は変える

前のテナントのイメージをしっかりと払拭するためにも、できるだけ内装は変えるようにしてみてください。
少し内装を変えるだけでも、イメージを大きく改善することが出来ます。

またどのような理由で閉店したのかはわかりませんので、周囲への挨拶回りを丁寧に行うことで、より良く印象付けることができますよ。

リース契約のものに注意

居抜き物件の最大のメリットは店舗だけではなく、店舗の内部にある厨房機器もそのまま引き取って、使用することができるということです。
厨房機器などをそのまま利用できれば、大きく初期費用を抑えることができますので、メリット言えますね。

しかし場合によっては、前のテナントが利用していた厨房機器のリース契約が残っているままということもあります。
厨房機器がリース契約のままであれば、契約が残っている可能性があり、厨房機器をどの程度利用できるのかが大きく変わってきますので、注意が必要です。

レイアウトや設備をそのまま使えるのか

リース契約が残っているのかどうかだけではなく、前のお店のレイアウトがどうなっていたのかをしっかりと確認しておくようにしましょう。

例えば以前はラーメン屋だった店舗を、今度はケーキショップにしようと考えているとします。
ケーキショップは、ショーケースや、大型の業務用冷蔵庫冷凍庫、さらにはオーブンも必要になります。

しかし、ラーメン屋の居抜き物件の場合は、スープを煮込むための寸胴などはあったとしても、オーブンはないでしょうし、ケーキを焼くような設備も全く整っていません。

そのような店舗を居抜きで購入したとしても、コストを抑えることが難しくなる可能性がありますよね。
今ある設備を取り除き、ケーキを作るための厨房機器を取り揃えなければなりませんので、かえってコストがかかることも考えられます。

厨房機器が正常に動くか確認

厨房機器が全て揃っているからといっても、それらが全て、本来の働きをするのかといえばそうではない場合があります。

例えば、冷蔵冷凍庫が残っていたので使おうとしても、使い始めた途端にすぐ水漏れを起こしたり十分に冷えなかったりと、トラブルが起こる可能性もあります。

修理費用が高額に？

すでに居抜き物件を購入していますので、居抜き物件内の厨房機器が故障した場合は、物件購入者が修理費用を負担しなければなりません。

冷蔵庫1つであればまだしも、複数の厨房機器が故障していれば修理費用はかなり高額になってしまいますので、居抜きだからといって全て使えると油断するのではなく、居抜き物件の中にある厨房機器がしっかり使えるものなのかどうかも事前に確認しておかなければなりません。

「居抜き物件の中にある厨房機器が故障したり、トラブルが起きた場合には、売主がそれらの修理費用を保障する」という契約を結んでいる場合には問題はありませんが、契約を結んでいないのであれば、修理費用を負担しなければならないので注意してください。

一見便利そうでコストが抑えられそうな居抜き物件ですが、注意をしなくてはならない事もあります。事前にしっかりチェックをして、コストを抑えた経営が出来るとよいですね。